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コンビニの24時間営業は継続できるのか
コンビニの24時間営業の継続が難しくなってきました。
その理由として
・オーナーの不足
・アルバイトの不足
・多店舗戦略による一店舗あたりの売り上げの減少
があります。
>>オーナーの不足
日本フランチャイズチェーン協会によれば、コンビニの全国の店舗数と全店売上高の成長は続いています。けれど一店舗あたりの売上高は伸び悩んでいるのが現状です。
陣取り合戦のようにライバル店の近くに出店が相次ぎ、同一エリアに何店舗ものコンビニが並び、一店舗あたりの売上高が減少することも起きてきました。
ライバルに出店させないよう、一人のオーナーに同一エリア内で複数店舗を開業させるドミナント戦略によって、オーナーになれる人も限られてきました。
>>アルバイトの不足
少子高齢化によって、アルバイトをする若者の数が減っています。なのに店舗数は増えています。とうぜんアルバイトの確保が難しくなり、時給の高い臨時や派遣バイトを使うことで人件費もさらにかかります。最低賃金もこの20年間で300円近く上昇したため、一か月あたり50万円のコストアップした計算です。
【24時間営業を辞めたファミリーマート現る】
日本での誕生から約40年間。わたしたちの生活に欠かせない社会的インフラ(水道や道路、役所といった生活に大切な基盤、公共施設)となったコンビニエンスストア。
しかし少子化や店舗数の増加によって、24時間営業が維持できない店舗もではじめています。ファミリーマートは一部店舗の営業時間を短縮する実証実験を開始。売り上げや人件費への影響を検証し、今後の24時間営業を継続するかどうか判断します。
すでに京都市内のファミリーマートは2017年7月、人手不足や人件費が上昇したため、来店客の少ない深夜まで営業する余裕がなくなり、本部と合意して午前1時から午前6時までを閉店しています。
24時間営業の牛丼の大手チェーン店が従業員が確保できず、深夜営業をやめたことがありました。それでもコンビニの大手チェーンは24時間営業をかたくなに守ってきました。しかし、それも地域によっては限界が来たのです。
【フランチャイズチェーン契約のしくみと人件費の関係】
わたしたち加盟店は一日の売上を本部にすべて送らなければなりません。たとえ加盟店が赤字でも、本部にはロイヤルティー(経営指導料)が発生し、とりっぱぐれもありません。人件費の上昇は本部には影響がないのです。
月に1500万円の売上があっても、そこから商品原価やロイヤルティーが引かれます。さらにそこから人件費や一部光熱費を引いた残りがオーナーに残る金額になります。
そこそこ儲かっている時は、人を雇って店を回せるので自分の時間や家族との時間もとれます。しかし、近くにライバル店が開業すると売上は落ちます。そうなると、人件費削減のためにオーナー自身が十何時間と店にはりつくことになります。
【大手3社の24時間営業に対する考え方】
大手ブランド3社の24時間営業に対する考え方としては
・セブンイレブン 「24時間営業は絶対に続けるべき」
・ファミマ「24時間営業についてはケースバイケース」
・ローソン「業界全体でやめるのはあり。ローソンだけがやめるとお客が競合に流れる」
となっています。
セブンイレブン社長は、過去に担当していた20軒ほどが深夜営業をやめたところ、作業が回らないとほとんどの店が24時間に戻した過去がある。ファミリーマート社長は、店舗は間違いなく飽和状態と感じており、24時間営業が必要のないところはやめればいいと考えています。ローソンも過去に24時間営業をやめたこともありましたが、結局もとに戻しています。
【まとめ】
コンビニがこれまでのように社会的インフラであり続けるためにはAmazon Goのような無人店舗の導入、営業時間が限定される会社や駅、大学構内への出店、直営だからこそ出店できる地域への進出、ロイヤルティーを低く設定し大手チェーンが出店をためらう小商圏でもオーナーが経営できるようにする、など新たなビジネスモデルを考える必要があるでしょう。